[一緒に洋書5] 英語で本を1冊読んでみよう。徹底解説付き。

Autumn leaf on a book 英語レッスン
一緒に読んでみよう!

普通の会話が満載の探偵小説を徹底解説しながら読んでいきます。言葉のニュアンスや、背景、使える表現や単語を知って、深く理解しよう。

Desperate の日本語訳のニュアンスのずれ

Say の名詞としての「言う権利」の用法

Miss の日本語訳のニュアンスのずれ

熟語、One way or the other 「いづれにせよ」

などを考え、実際に使える英語を楽しみながら身につけよう。

「初秋」ロバートB. パーカー

“What are you desperate about?”

「何がそんなにお困りなのですか?」

desperate の日本語訳は「自暴自棄、絶望的、切望している」と出てくるが、実際の状況は「とても困ってしまっている」に近い

“My son.  HIs father had taken him.”

「私の息子の事です。父親が連れて行ってしまったの」

“And what would you like me to do?”

「で、私に何をして欲しいのですか?」

“Bring him back.” 

「息子を連れ戻して」

“Are you divorced?”

「離婚はしたんですか?」

“Yes.”

「はい」

“Do you have custody?”

「養育権はあなたに?」

“Yes, of course.  I am his mother.”

「もちろん。私は母親ですから」

“Does his father have visitation privileges?”

「父親には面会する権利はあるのですか?」

“Yes, but this isn’t a visit.  He’s taken Paul and he won’t bring him back.”

「権利はあります。でもこれは面会では無いわ。ポールを連れて行ったまま、返してくれないのよ」

“And the court?”

「裁判所はそれに対してどう言う対応を?」

省略部分を推測で補うと、”And how is the court dealing with the situation?” となる。

“There’s a hearing, and Mel’s being subpoenaed but they can’t find him.”

「公聴会があります。メルは召喚されているのですが、所在は不明なのです」

“Is Mel your husband?”

「メルというのはあなたの夫ですか?」

“Yes.  So I’ve spoken to the police and they said if they could find him they’d serve him a summons.  But you know they aren’t going to look for him.”

「そうです。警察にも話しました。彼の居所がわかれば出頭通知を出すと言うのですが、警察は彼をわざわざ探しはしない」

“Probably not.  They are sometimes busy,” I said.

「まあ、そうでしょう。警察もたまには忙しい」と俺は言った。

“And so I want you to find him and bring my Paul back.”

「と言うわけで、あなたに夫を見つけてもらって、ポールを連れ戻して欲しいのです

“How’s the boy feel about all this?”

息子さんはこの状況をどう感じているのでしょう?

all this は「これ全部」。 all that 「あれ全部」、と共に、会話では便利に使える。一連の出来事を一緒くたにして示せる。例えば:What are you going to do about all that? あれ全部どうするの?

“Naturally, he wants to be with his mother, but he’s only fifteen. He has no say. His father simply taken him and hidden him.”

「当然あの子は母親の元に居たいのです。でもまだ15歳。自分ではどうしようもない。単に、父親があの子を連れ去って隠してしまったというなわけなのです」

ここでの say は名詞で「物を言う権利」。よく in this matter と一緒に使われる:You have no say in this matter. この件に関してはあなたには何も言う権利がない

Hard to be fifteen

 ”Mel missed him that much?”

「メルはそんなにも息子さんと一緒に居たいわけですか?」

Miss は日本語に訳すと少し大げさになる。英語では例えば、Oh, I miss my morning coffee. あー、いつもの朝のコーヒーが飲みたい。(飲めない状況で) という感じで使える。

“He doesn’t miss him. He doesn’t care about Paul one way or the other. It’s merely his way of getting at me. He doesn’t want me to have Paul.”

 「あの男は息子が居ない事を気にしたりはしないわ。ポールに関しては一切無関心です。これは単なる私に対する嫌がらせ。ポールを私に渡したくないのです」

One way or the other = この方向でも違う方向でも = いづれにせよ

Get at 人= 人を意図的に苛立たせる。 その他の用法として、Get at ~ = ~ を示唆する、[What are you trying to get at ? 何を言おうとしているの?]、~ に手が届く [I can’t get at the screw ネジに手が届かない、~ (真実など)を突く、などの意味がある。何かに到達する感じがわかるかな?

“So he took him.”

「そう言う訳で父親は息子を奪ったのですか」

“Yes.”

「そうです」

“Good deal for the kid,” I said.

「その子にとっては良い事ですな」

本当に意味するのは逆だ。つまり”This is not a good deal for the kid.”  子供にとっては悪い状況、を皮肉っているのだ。 

“He doesn’t care about that. He wants to hurt me. And he is not going to.”

「父親はそんなことは気にしないわ。私の事を傷つけたいのです。でも私はそうはさせないわ」

That が意味するのは「息子にとっては良い状況ではない事」

まとめ

依頼の件の内容が分かってきた。離婚調停で子供が1つの駒として使われるケースはありますなあ。

今回も使える英語がたくさん出てきた。

Desperate を使う感じや、all this の表現、名詞としての say no way or the other。

会話の中でのキャラクターの気持ちや、文脈を感じ取って、自分で使えるように身につけよう

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