[一緒に洋書6] 英語で1冊読んでみない?

leaves 英語レッスン
Early Autumn

今回で、依頼人との最初の面会の場面である最初の章が終わりだ。単純だけれどニュアンスは複雑な会話を分析して練習しよう。微妙な英語のセンスはそうやって磨かれるのだ。

今回の会話の中ではこんな表現をおぼえよう:

On one condition ひとつ条件があります

I am afraid not 残念ながら答えはノーです

think of 思いつく

Now that ~ = ~となった今

「初秋」ロバートB. パーカー

There was no wiggle when she said the last sentence.

最後の言葉を言っている時にはもう身をくねらせてはいなかった。

(前回の投稿でカバーした)最後の言葉は “And he is not going to do.” だった。文字通りの訳は「彼はそうはしない」だが、本当の意味は「私はそうはさせない」だ。つまり強い意志を示す文で、身をヨジって媚びる様子 wiggle はもうなかったと言う事。

“I want you to bring that kid back to me, away from his father. Paul is legally mine.”

「父親の元からあの子を引き離して私の所に連れ戻して欲しいの。ポールは法的に私のものなのです」

I was silent.

俺は何も言わなかった。

“I can pay any reasonable fee,” she said.

「適当な料金ならいくらでも払えます。」と彼女は言った。

“I got an excellent alimony settlement.”

「離婚協定で、かなりの慰謝料が出たのです」

She was quite brisk and business-suity again.

彼女は再びキビキビとしたビジネス調だ。

brisk簡潔にテキパキを物を行う様子だが、気温がシャキッと寒いなんていう感じでも使われる。

I took in some air and let it out through my nose. I looked at her.

俺は息を吸い込み、鼻から息をはいた。そして女性を見た。

She looked back.

彼女を俺を見返す。

“What’s the matter, ” she said.

「何か不都合が?」と彼女が聞いた。

I shook my head. “It does not sound like a real good time,” I said.

俺は首を振って、「あまり楽しそうな仕事では無さそうですな」と言った。

“Mr. Spencer,” the lower lip moistened again, mouth open a little, tip of the tongue running along the inner edge of the lip.

「スペンサーさん」、下唇は再びしっとりとして、口は少し開かれている。舌の先が唇の内側の縁をたどっている。

“Please, I have no one else. Please.”

「お願いです、他には誰も居ないのです。どうかお願い」

“There’s a question whether you need anyone else,” I said, “but I”ll take a whack at it on one condition.”

「あなたに助けが必要かどうかは疑問ですが、まあ、ひとつやっては見ます。ただし条件が一つあります」と俺は言った。

Whack は擬音語に近い。ウアック!バチン!と叩く。Take a shot at it = それに向けて一発撃ってみる = 一発試してみる、と言う表現もよく聞くので、覚えて使ってみよう。“Let me take a shot at it.” ちょっとやらしてみ、と言う感じで。

Condition の「条件」の意味を思い出そう。

“What?”

「何なのでしょう?」

“You tell me your name so I’ll know where the bill gets sent.”

「あなたのお名前をお聞かせください。請求書の送り先を知っておかなければなりませんのでね

She smiled. “Giacomin, she said, “Patty Giacomin.”

女性は笑顔を作った。「ジャコミンです、パティー・ジャコミン」と彼女は言った。

“Like the old Ranger’s goalie,” I said.

「昔のレンジャースのゴールキーパーと同じですな」と俺は言った。

“I’m sorry?”

「はあ?」

“Gentleman of the same name used to be a hockey player.”

「昔のホッケー選手で同じ名前の男性が居たのです」

“Oh. I’m afraid I don’t follow sports much.”

「あら、私はスポーツには残念ながらあまり興味がないの」

I’m afraid not. = 「No」が怖い = 残念ながら「No」と、遠回しに回答する、丁寧な表現だ。

“No shame to it,” I said.

「恥じる事ではありません」と俺は言った。

“Matter of not being raised properly. Not your fault at all.”

「育った環境が悪かっただけの話です。あなたのせいではない」

 She smiled again, although this time it was a little unsure, as if now that she had me she wasn’t certain she wanted me.

女性は再び笑顔を作った。しかし今回の笑顔は、俺を雇うことにしたのは良いが、本当に俺で良かったのか、少し不安になったような笑顔だった。

now that ~ で、〜になった今、〜した今 という表現は使う場面は結構ある。Now that I know how difficult it is, I give up. どれだけ難しいのかもう分かったからあきらめる。

It’s a look I have seen a lot.

俺にはよく見ることがある表情だ。

“Okay, I said. “Tell me everything you can think of about where old Mel might be.”

「それでは、メル親父がいる可能性ある場所を、思いつく限り教えてください」

“think of” は熟語で「 ~ について思いつく」。前置詞が2つ続いているのがややこしいが、熟語をひとかたまりと考えると意味の切れ目が見える。ちなみに便利なつかえる表現:Can you think of something? 何か考えつく?

“Old” は親しみを込めた愛称で、”古き、良き”的なニュアンスだ。微妙にスペンサー特有の皮肉たっぷりのユーモアがさ感じられる。

I pulled a lined pad closer, picked up a pencil and listened.

俺は白いメモ帳を手元に引き寄せ、鉛筆を手に取り、話を聞いた。

まとめ

第1章が終わり。微妙な会話でも、言葉の使い方や、身振りで人物を描写していくのが上手い。また子供に対する両親の関係もすでに想像できる。

今までの文をもう一度読み返してみよう。内容を完全に分かった英文をスラスラと読む事自体に慣れるのだ。書いてある情報が英語を通して伝わってくる感覚が養われる。

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