[一緒に洋書4] あまり難しくない探偵小説を読もう。

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探偵事務所

一緒に読めば洋書も以外に難しくない。探偵小説を完読する!シリーズ4回目だ。ハードボイルドな減らず口。面白い会話が続きます。今回の会話では:

annoy (嫌がらす、うざったくする)

what the hell の強調文

somehow (不思議と)

have got to ~ (〜しなければならない)

turn to (頼る)

I ‘ll bet (に違いない)

などの表現を見ていこう。文脈に沿って読むから言葉を体感できる!

「初秋」ロバートB. パーカー

“Mr. Spenser, do you have time to waste like this,” she said.

「あなたにはこうやって無駄にする時間がお有りなの」彼女が言った。

“Yes, I do,” I said.

「有りますとも」と俺は言った。

“Well, I do not,” she said and I lip-synched the words with her as she said them.

「私には無いわ」と彼女が言うのに合わせて俺は唇を動かした。

この as は「物事が起こるのにしたがって」、「と同時に」という as だ。

That annoyed her.

彼女はそれが気に障ったようだった。

annoy は嫌がらす、イラつかせる、困らす。surprise と同じように、目的語を伴う他動詞なので、嫌がる本人が主語の場合は、She was annoyed. となる。

“Don’t you want the job?” she said.

 「この仕事を取りたくはありませんの?」女性は聞いた。

“I don’t know,” I said. “I don’t know what the job is.”

「それは分かりません」俺は言った。「仕事が何なのか知りませんし」

“Well, I want some evidence of qualifications before I discuss with you.”

「でも、内容を話す前にあなたの資格を証明するようなものが見たいわ」

“Hell, lady, I showed you my scar tissue and my gun. What else do you need?”

「たのんますよ、ご婦人様、私の傷跡も見せたし、拳銃も見せた。これ以上何が必要なんですかね?」

この Hell は、”What the hell?”「 一体何なんだ?」が省略されている形。「頼みますよ、ご婦人さん」的に、野卑な男がご婦人に対して、慇懃無礼にしている様子をわざとふざけて見せているニュアンスがある。

“This is a sensitive job. This is not a matter of guns. It involves a child.”

「これはとてもセンシティブな仕事なのです。拳銃を必要とするものではありませんの。子供が関係しているのです」

“Maybe you should get hold of Dr. Spock.”

「スポック博士に連絡した方が良いんじゃ無いですか」

Dr. Spock は有名な子供の保育の本を書いた医者で、ある時期には保育書のスタンダードとされた。しかしかなり無礼な皮肉だよね。顧客に対する無礼ぶりはブラックジャック並だ。

Silence. She looked at my hands where my chin was resting.

沈黙。女性は俺が顎を載せている両手を見つめた。

“Your hands are very strong looking,” she said.

「あなたの手はとても屈強に見えますわね」と彼女は言った。

“Want to see me crack a walnut?” I said.

「クルミを素手で割ってお見せしましょうか?」俺は言った。

“Are you married?” She said.

「結婚してなさるの?」彼女が聞いた。

“No.”

「してません」

She smiled again. It was a good one. Hundred, hundred-fifty watt.

彼女は再び笑顔を作った。素晴らしい笑顔だ。100、150ワットと言ったところか。

But I’d seen better. Susan could have smiled her right into the woodwork.

でも俺はそれより素晴らしい笑顔を見ている。この女性の笑顔もスーザンに比べると全く見劣りしてしまう。

まず、Woodwork が意味するのは戸口の周りなどの木工細工を指すが、woodwork を使った表現で、”come out of the woodwork” = 木細工から虫のようにゾロゾロ出てくる=物陰から這い出してくる、という言うものがある。つまりWoodwork はここでは「物陰」と取る。

さらに、[smile + 人 + into ~] なんて言う表現は普通は無い。でも言っていることは分かるよね。笑顔の威力で人を物陰に追いやってしまうような感じだ。

smile
Hundred, or hundred-fifty?

She moved slightly in the chair. She remained upright and trim, but somehow a wiggle came through.

女性は椅子に座ったまま少しだけ動いた。まっすぐに座って姿勢を崩さないままでいるのに、身をくねらせるのが何故か分かる。

 Somehow はとても便利な表現だ。ある方法で=分からない方法で=どうにかして=不思議にも=何故か

come through = 通って出てくる=浸透して出てくる=滲み出てくる=様子が見える

I said, “If you bat your eyes at me I’m calling a policewoman.”

「それ以上私に媚びたら女性警察官を呼びますよ」と俺は言った。

[Bat eyes at 人] は、人に目をパチクリさせて可愛子ぶる、媚びを売る、ニュアンスだ。

She wiggled again, without moving.

彼女はまた身をくねらせた。体を動かさずにだ。

How the hell does she do that?

一体全体彼女はどうやってやるんだ?

the hell は先ほども出てきた強調。Hell, how does she do that? ちなみに口語では hell の代わりに fuck を使うことが多い。省略語でよく見かける、WTF?= What the fuck? 何なんだ、そりゃ?

“I’ve got to trust you,” she said. “I have no one else. I must turn to you.”

「あなたを信頼するしかないの」と彼女は言った。「他には誰も居ないの。あなたに頼るしかないわ」

Have got to ~〜しなければならない。会話では ’ve got to、さらに短く、gotta (ガッタ)となる。get の投稿参照

turn to ~助けを求める、頼るturn の投稿を復習しよう

“Hard,” I said. “Hard for a woman alone, I’ll bet.”

 「大変でしょうね」と俺は言った。「女性で一人きりでいるのは、きっと」

会話なんかで、「絶対そうだよ I’ll bet」みたいに後付け出来る表現は、使えるシチュエーションが多いはずだ。ぜひ覚えておこう。

Wiggle. Smile. Sigh.

身をくねらせる。笑顔。そしてため息。

“Yes, I’ve got to find someone to help me. Will it be you?”

「そう、だから助けてくれる人を見つけなければならないの。あなたがその誰かなのかしら?」

She leaned forward slightly. She moistened her lower lip.

彼女は少し体を前に傾け、下唇をなめて濡らした。

“Will you help me?”

「私を助けてくださる?」

“I would gather stars,” I said, “out of the blue.

「青空から星を取って集めることだってやりますよ」と俺は言った。

Out of the blue という「青天の霹靂」という表現がある。the blue は the blue sky の略。

“Don’t make fun of me,” she said. “I’m desperate.”

「私を茶化すのはやめて欲しいわ。」と女性は言った。「私、本当に困っているのよ」

make fun of = バカにする、茶化す、笑い者にする

まとめ

会話を読むと、実際に使える表現がたくさん身に付く。

annoy、hell、have got to、turn to、 などの便利な表現を覚えよう。自分で例文を考えて、それがスラリと言えるまで練習しよう。

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