[一緒に洋書 11] 微妙な英語のニュアンスを小説から読み取ろう

stirring up 英語レッスン
物事はかき混ぜるべき?

今回の表現は:

  • So is she = she is so = 彼女もそうだ
  • see = 確認する、という意味の表現
  • rightold のニュアンス
  • かき混ぜる = Stir + up を使った2つの表現:
  1. Stir + 人 + up = 動揺させる
  2. Stir things up = 事を荒立てる、揺さぶる

など、実用できる英語ニュアンスを小説の文脈にそって理解しよう。

また、過去形で書かれている物語時点から過去を示す、過去完了(had) を押さえたけれど今回は、物語の時制からみての将来 (would) に注意します。省略されると両方、‘d となるのがややこしい。

「初秋」ロバート B. パーカー

The door opened. She was as described only better.

ドアが開いた。女は描写された通りの感じだが、思ったよりも美しい。

And she was busty.

そして胸は豊満だ。

So is Dolly Parton.

ドリー・パートン見たいに。

アナ訳

So を文頭に置き、be動詞と主語を疑問文の様に反転させる慣習。

So is (s)he / So am I / So are they 〜もそうだ 

と覚えてしまおう。

Dolly Parton is so = busty.

「ドリー・パートンもまた胸が豊満」

となるが、文脈で、「ドリー見たいに」と訳した。

ちなみに、Dolly Parton 有名なカントリー・シンガー

Dolly Parton - Wikipedia

She’d done her hair and face, but hadn’t dressed yet.

髪は整えられ、化粧も済ましていたが、まだ着替えてはいなかった。

She wore a long brown robe with white piping and a narrow white belt tied in front.

女は長く、白いパイピングの縁取りがあるブラウンのバスローブを纏っている。白く細いベルトが前で結ばれている。

Her feet were bare. Her toenails were painted.

足は素足だ。足の爪にはペディキュアが塗ってある。

It helped little. Never saw a toenail I liked.

ペディキュアが塗ってあってもダメだ。素敵な足の爪なんてものを俺は見たことがない。

コメント

省略部分を補うと:

It (= the fact her toenails were painted) didn’t help (the toenails to look better) much.

足の爪にペディキュアが塗られている事実は、足の爪を良く見せる助けにはあまりなってはいなかった。

Yojo
Yojo

まあ、冗談なんだろうね、これ。

“Here you go, ma’am,” I said.

「はい、これです」、と俺は言う。

She took the package. “Any message?”

女は箱を受け取った。「なにかメッセージは?」

“Not to me, ma’am. Maybe inside. All Mr. Giacomin told me was to see that I put it right in your hands.”

「私には何も承っておりません。箱の中ですかね。ジャコミン様からは、くれぐれもあなたに直接手渡せ、とだけ言われております」

アナ訳

“see” の、「確認する」というニュアンスから、「くれぐれも」としている。

例:

I really don’t want to see any typos in our presentation material.

プレゼンの資料に誤字脱字があるのは絶対嫌よ。

Yes, ma’am. I will see to it.

かしこまりました。ちゃんと確認します。

コメント

right in your hands の “right” は、真正面、真ん中、直に、バシッと、という感じ。ここでは「直接」とした。

“Well, thank you,” she said.

「そう、ありがとう」、と女は言った。

“Okay.” I didn’t move.

「はい」俺はそのまま動かない。

She looked at me. “Oh,” she said. “Wait a minute.”

女は俺を見て、「あら、ちょっと待ってて」、と言った。

She closed the door and was gone maybe a minute and then the door opened and she gave me half a buck.

ドアを閉めて1分程度居なくなると、ドアが再び開いて、女は俺に50セントくれた。

I looked at it sort of glumly.

“Thanks,” I said.

俺は少し不機嫌そうにそれを眺め、「どうも」、と言った

She closed the door without comment and I went on back down to the car.

女は何も言わずにドアを閉めた。俺はその場を離れ車に戻った。

door

I pulled out of a turnaround in front of the apartment and parked up the road a little so I could see in the rearview mirror.

俺はアパートの前の車回しから車を出すと、道を少し行った場所で、リアヴューミラーで観察できるように車を駐めた。

And I waited.

そして待ちだ。

I’d accomplished a couple of things maybe.

これで、俺は多分2つの事を達成できた。

One, for certain, I know what she looked like so if she left I could follow; otherwise I had to wait for old Mel to show up.

一つは、これは確実に、女がどんな顔をしているのかが分かったので、尾行できると言う事。さもなければ、メル様のご登場を待つしかない。

アナ訳

この “old” の微妙なニュアンスを読み取ろう。「親しみ深いもの、慣れっこになっているもの、愛着のあるもの」を “old” と言うが、皮肉的に、「例の奴さん」と言う感じだ。

ここでは、慇懃無礼に「様」づけして、「ご」登場としてして雰囲気を伝えてみた。どう?翻訳って、こう言う所が面白い。文章を深く読む楽しみだ。

Second thing, maybe, was she’d call to thank him for the gift and he’d say he never sent it and that would stir them up and one would go to the other.

二つめは、こっちは恐らくだが、女はギフトのお礼に男に電話を入れる。男は送っていないと言う、そうして、どちらかがもう一方を訪ねることになるように彼らを動揺させる事だ。

アナ訳

stir は、かき混ぜる。”up” は沈殿して静止していたものが舞い上がってくる感じだ。目的語が人である場合は「動揺させる」となるのが納得できる。

コメント

she’d call の ‘d は、今までの had (過去完了)の省略ではなく、would を省略している。

she would call.

物語が進んでいる、過去形の時点から見た将来、という認識だ。

Or it would make them especially careful and I wouldn’t be able to find him through her.

あるいはこのおかげで彼らは特に警戒する事になって、女を通して男を見つける事が出来なくなってしまうか。

The odds were with me though.

でも、俺の推測が正しい確率は高い。

Info

odds は勝率だ。直訳は「勝率は俺の方にある」となる。この言葉を使ったイディオムは:

against all the odds = 低い勝率にかかわらず、予想を裏切って

And if his wife was right, he was too randy to stay away from her forever.

そして彼の奥さんの言う事が正しければ、好き者なので、女からずっと離れては居られないはずだ。

Info

randy とは俗語で「スケベ、色物、好き者」を指す。

Over the years, I’d found that stirring things up was better than not.

俺は、今までの経験で、物事は揺さぶった方が、何も起こらないよりもマシだという結論に達した。

When things got into motion I accomplished more. Or I seemed to.

物事が動き始めるとより仕事がはかどった。まあ俺にはそう思えた。

Stir
Stir it up!

まとめ

これで第二章が終わりだ!どう?結構サクサク行けるでしょ?もう一度最初から、スラスラと、文の伝える情報をそのまま頭に入れ、ニュアンスを感じて、情景を思い浮かべながら読んでみよう。そんな繰り返しは想像以上に言語の回路を発達させるのだ。

一冊読み終えた後にはどれだけの英語センスが頭の回路に浸透していくのか想像してみよう。かなりの英語力が付いているはずだ。

さあ、次回、Chapter 3 お楽しみに。

コメント

タイトルとURLをコピーしました