[一緒に洋書14] 教科書には出ない、ワイズ・ガイの減らず口

jacl 英語レッスン
Who is Jack?

ワイズ・ガイ(Wise guy) とは生意気な、皮肉な、減らず口を叩く奴の事だが、ハードボイルドの主人公の伝統でもある。

どんな危機に面しても、 Wisecrack (皮肉なジョーク、機転の早い気の利いたジョーク)を飛ばすだけの Cool を保持するのが カッコ良い「tough guy タフガイ」なのだ。

この物語もプロットが進み、そんな教科書では出てこない会話や言い回しが出てきた。

今回の表現は

実際の英語の会話での省略や反転の例Corny のニュアンス、俗語としての ScrewJack の意味などを説明します。

この話の前ページはこちら

話の最初はこちら

「初秋」ロバート B. パーカー 

Elaine Brooks turned and looked at me. Her eyes widened.

イレイン・ブルックスは振り返って俺を見ると、目を見開いた。

“That’s him, Mel,” she said. “That’s the guy brought the package from you.”

「メル、この男よ!この男があなたからのギフトを配達してきたの」と彼女は言った。

Giacomin was wearing gold Ban-Lon turtle neck and green polyester pants with no belt loops and one of those little flaps that button across in front instead of a belt.

ジャコミンはゴールドのバンロン地のタートルネックに緑のポリエステルのパンツ。ベルト通しが無くて、ベルトの代わりに小さな布の帯をズボンの前でボタンで留めるやつだ。

Note

Ban-Lon とは化学繊維のニット地のような生地で60年代に流行ったものだ。ウィキペディア参照。今ではジョークのオチに使われるほどダサい。

しかし、この格好もすごいよね。

On the little finger of his right hand was a silver ring in the form of a snake biting its tail.

右の小指には蛇が自分の尾に噛み付いているデザインの指輪をしている。

On the little finger on his left hand was a silver ring with an amethyst set in it.

左の小指にはアメジストがはめ込まれている指輪をしている。

amethyst
amethyst is usually purple
Note

A ring was on the little finger.

という文が基本だ。こう言う形の 「〜 がドコドコにある」という文は、反転して:

On the little finger was a ring.

となる事がよくある。特に意味が分からなくなることはないが、主語を常に意識していると、珍しく、主語が無いので、おっ?と感じるかもしれない。自分でも使う事が出来るように練習しておこう。

The Ban-Lon shirt was not flattering to his body.

バンロン地のシャツは奴の体型には似合わない。

He was fat around the middle.

腰回りには脂肪が付いている。

He said, “I asked you a question. I want an answer and I want it now.”

「俺はお前に質問した。さっさと答えろ。今すぐにだ」と奴は言った。

Note

I want 〜 and I want it now. というのは慣用表現だ。ものすごく demanding な、殿様的な命令調だ。

I said, “You shouldn’t wear a Ban-Lon shirt like that if you ‘re going to scare people. It’s a loser. Cary Grant wouldn’t look good in Ban-Lon, you know.”

「人を脅したいのなら、バンロン地のシャツは着ない方が良いぜ。ダサすぎだ。ケーリー・グラントだってバンロン着たら格好が悪いだろう」と俺は言った。

“What did you bring the present for? What the hell doing trying to sneak into my house?”

「何のためにギフトなんか持ってきんだ? 俺の家に忍び込んで何しようってんだ?」

Note

What the hell (are) you doing, trying to sneak into my house.

are が省略されている。そしてdoingの後にコンマを入れて考えると分かりやすい。

 I noticed that he sucked up his gut a little, but there is not a lot you can do with beer wings.

奴が少し腹を引っ込めようとしているの分かる。しかしビール腹はあまり隠しようがない。

Yojo
Yojo

Beer wings… ビールの翼ってのもすごい表現だよね。飛んでいる姿は見たくないかもしれない。

I said, “My name is Spenser. I know it sounds corny, but I’m a private detective. Your wife hired me to find her son.”

「俺の名前はスペンサー。そう言うと陳腐に聞こえるのは分かるが、俺は私立探偵だ。君の奥さんにやとわれたのさ、息子を探し出すためにねと俺は言った。

Info

Corny の感じは:

安っぽい、陳腐な、わざとらしい、趣味の悪い、カワイ子ぶりすぎた

My ex-wife,” he said. “She offered to screw you yet?”

「俺の元妻だ」と奴は言った。「もうあの女はセックスに誘ったか?」

スラング

Screw は Fuck とニュアンスは同じと考えて良い。実際の用法でも互換性がある。例:Screw you!

“No. I was surprised. Most women do at once.”

いや、驚いた事に申し出は無かった。通常、女性は皆、すぐに俺を誘うんだがね。

Note

do = offer to screw

I looked at Elaine Brooks.

俺はイレイン・ブルックスを見る。

“Am I starting to show my age, you think? I am zero for two today.”

「俺はもう若くは見えないって事かな、どう?今日は2回のチャンスで得点はゼロだ」

Gacomin said, “Listen, Jack, I’ve heard all I am going to hear from you. Move out.

「おい、タコ、お前との話はこれでしまいだ。出て行け」とジャコミンは言った。

アナ訳

I have heard all (that) I will hear from you. お前から聞く話は全て聞いた = 話はこれで終わりだ 。

人を「ジャック」と呼ぶのは、名前を覚える価値もないという、無関心に、侮蔑を込めて、誰でも構わず「ジャック」と呼ぶニュアンスだ。

レイ・チャールズの曲、”Hit the Road, Jack!” って言うのもそう言う事だ。

その他にも:

You don’t know Jack. 「あなたは何も知らない」という表現でもなぜか Jack なのだ。

Yojo
Yojo

Now, you know Jack! 😀

I shook my head. “Nope. I need to stay and talk a little about your kid. Let’s start over. Pretend I haven’t snuck in here. Pretend you haven’t yelled at me. Pretend I haven’t been a wise guy. It”s a bad habit, I know, but sometimes I can’t resist. “

俺は首を振った。「出ては行かない。お前の子供について少し話をする必要がある。もう一度最初からやり直そう。俺はここに忍び込んでは来なかった、お前は俺を怒鳴ったりはしてない。俺も減らず口は叩かなかった。そういうフリをしよう。俺の悪い癖だ。でもいつも誘惑に負けちまう」

Note

抵抗できない悪い癖とは、”being a wise guy” と言う事だ。

まとめ

実際の会話で難しいのは省略部分を補う事だ。しかし、省略されるからには理由があるのだ。英語のパターンに慣れていると、自然に省略部分を補う事が出来るようになる。

代名詞もある意味での省略だが、常に何を指すのかをクリアーに考えよう

Bugoo
Bugoo

OK, let’s go to the next page, shall we?

コメント

タイトルとURLをコピーしました