[一緒に洋書 23] ポピュラー小説の自然なよくある会話に慣れよう

TV set 英語レッスン
TV has changed a lot since then.

今回の表現は、「for God’s sake」のニュアンスや、束や、房を意味する「bunch」、そして依頼する「Can you ~? Will you ~?」を過去形にして丁寧な表現にする例などを見ていこう。

また、実際の会話ではあまり意味が無いが、リズムやタイミング、ニュアンスのために入ってくる言葉、例えば、「well」、や、「it’s just ~」などの口語的なツナギの言葉に慣れよう。自分でも使える程度まで、完全に消化すると、英語が自然に聞こえるようになる!

前回からの続きです。

「初秋」ロバート B. パーカー

“Sure,” I said. “Do you have any beer?”

 「そうですね。ビールはあるかな?」

“Oh, dear, I’m not sure,” she said. “Paul, go look in the refrigerator and see if there’s any beer.”

「あら、どうしましょう、ビールはあったかしら?」と彼女は言った。「ポール、冷蔵庫にビールがあったかどうか見てきて。」

Paul hadn’t taken his coat off. He went over to the TV set in the bookcase and turned it on, set no channel, and sat down in a black Naugahyde armchair.

ポールはまだコートを脱いでなかった。少年は本棚に置かれたテレビに行くと電源を入れ、チャンネルは変えずに黒の合成皮革の肘掛椅子に座った。

Info

Naugahyde は大文字になっていることから、固有名詞、この場合は製品の名前、である事が分かる。合成皮革で有名な製品名が一般の名詞になる例だ。「クリネックス」と同じだ。

The set warmed up and a Brady Bunch rerun came on. It was loud.

テレビの画面が現れ、「ブレイディ・バンチ」の再放送が流れ始めた。大音量だ。

Info

The Brady Bunch は有名なテレビドラマ。結構頻繁に言及される事がある。70年代のシットコムだが、その後の、度重なる再放送で人気が出ているので、かなりの世代に馴染みがあるようだ。

The Brady は「ブレイディ家」

苗字に「The」をつけると、「〜家」と家族単位の名詞になる

Bunch は「束・房」と言う意味だが、複数あるものが集まって1単位になるので、「人々や奴ら、グループ」などの意味で使われる。

例文)

There are bunches of people at the park. 今日はたくさんの人々が公園に居る。

I took a bunch of kids to the zoo. 私は子供の一団を動物園に連れて行った。

Patty Giacomin said, “Paul, for God’s sake.” And turned down the volume.

パティ・ジャコミンは「ポール、ちょっとあなた、お願い」、と言い音量を下げた。

アナ訳

「For God’s sake」は直訳すると、「神のために、神にかけて」となるが、表現としては強調で、ニュアンス的には「お前よー、頼むよ」「頼むからさ」「マジでさあ」「本当に」っていう感じだ。

Bugoo
Bugoo

We want a dinner! It is past 7, way past the dinner time, for God’s sake!

夕飯ちょうだいよ!7時過ぎだよ、夕食の時間をとっくに過ぎてるじゃん、いい加減、頼むよ!

Yojo
Yojo

Hey, man, that kind of attitude won’t get you anywhere!

お前さ、そう言う態度してると何も始まらないよ。

While she did that, I went into the kitchen on my right and found a can of Schlitz in the refrigerator.

その間に、俺は右手にあったキッチンに行って、冷蔵庫にシュリッツの缶ビールがあったのを見つけた。

Info

Schlitz は商品名。今はあまり見かけないラガービールだ。

There were two more with it, and not much else.

あと2缶あったが、その他には冷蔵庫にはあまり何もなかった。

I went back into the living room with my beer.

俺はビールを持ってリビングに戻った。

Stephen was sitting again, sipping his martini, his legs arranged so as not to ruin his crease.

スティーブンは再び座ってマティーニをすすっていた。パンツの折り目を台無しにしないように足の位置を選んでいる。

Patty was standing with her martini in hand.

パティはマティーニを手に立っていた。

“Did you have much trouble finding Paul, Mr. Spenser?”

「ポールを見つけるには手間がかかりました?スペンサーさん」

“No,” I said, “it was easy.”

「いや、簡単でした」と俺は言った。

“Did you have trouble with his father?”

「父親に手こずったりはしませんでした?」

“No.”

「いや」

“Have some cheese and a cracker,” she said.

「チーズとクラッカーお食べになって」、と彼女が言った。

cheese and crackers
These are not exactly Trisquits but…

I took some. Boursin on a Trisquit isn’t my favorite but, it had been a long time since breakfast.

ブルサンチーズをトリスケットに載せて食べるのはあまり好きでもないが、朝飯を食べたのはずいぶん前だったので、少し食べた。

I washed down with the beer.

ビールと一緒に流し込んだ。

There was a silence except for a now softened Brady Bunch.

音量が下がった「ブレイディ・バンチ」以外は一瞬、沈黙の間があった。

Stephen took a small sip of his martini, leaned back slightly, and brushed off a tiny fleck of something from his left lapel, and said, “Tell me, Mr. Spenser, what do you do?”

スティーブンはマティーニをちびりと口にして、わずかに後ろに寄りかかると、小さなホコリか何かを左の襟元から払い落とした。そして、「スペンサーさんは何のご職業で?」と聞いた。

I heard an overtone of disdain, but I’m probably too sensitive.

どことなく嫌悪を帯びたような口調に聞こえたが、多分、俺の考え過ぎだろう。

“I’m a disc jokey at Régine’s,” I said. “Haven’t I seen you there?”

「私は『レジーン』でDJをしてます。前にそこでお会いしましたっけ?」 

コメント

Régine’s とは、ニューヨークに在った、有名人がひいきにしたナイトクラブだ。明らかに人をおちょくっている回答で、スティーブンの服装に対する揶揄でもある。

Patty Giacomin spoke very quickly. “Mr. Spenser,” she said, “could I ask you a really large favor?”

パティ・ジャコミンが早口で発言した。「スペンサーさん、とても大きなお願いがあるんですけれど」、と言った。

I nodded.

俺は頷いた。

“I, well, I know you’ve already done so much bringing Paul back, but, well, it’s just that it happened much sooner than I thought it would and Stephen and I have a dinner reservation…. Could you take Paul out maybe to McDonald’s or someplace? I will pay of course. “

「あの、ポールを連れ戻していただいて、すでに十分に仕事をして頂いてもらってるのは承知してます、でも、あの、私が思ったよりも早く事が進んだようで、実はスティーブンと私は今夜レストランの予約を入れてしまったのですわ。お手数ですが、ポールをマクドナルドかどこかへ食事に連れて行っていただけるかしら?もちろんお支払いします」

Info

Can you ~ ?Will you ~ ? を過去形にして、Could you? Would you? とするのは丁寧な言葉遣いだ。英語での敬語の一例だ。

コメント

It’s just that ~ は、あまり意味が無いが、口語的に、「実は、こう言う事なんです」という感じだ。特にここでは言いにくい事を頼んでいる状況なので、こんな言いまわしなのだ。

I looked at Paul. He was still sitting, still with his coat on, staring at The Brady Bunch.

俺はポールを見た。彼はまだコートを着たままブレイディ・バンチをじっと見ていた。

Stephen said, “There is a rather decent Chinese restaurant in town, Szechuan and Mandarin cooking.”

「街に割と美味しい中華料理屋がある。四川とマンダリン料理だ」、とスティーブンが言った。

コメント

「四川料理」はあるけれど、「マンダリン料理」ってのは無い、(よね?)マンダリンは標準中国語、北京語、と理解している。北京料理と言いたいのだろうか?

Patty Giacomin had taken her purse off the mantle and rummaging in it.

パティ・ジャコミンはハンドバッグを暖炉の棚からとって、中身を手探っていた。

“Yes,” she said. “The Yangtze River. Paul can show you. That’s a good idea. Paul always likes to eat there.”

「そうそう、レストラン長江。ポールが知ってるわ。いい考えね。ポールはそこで食べるのがいつも好きだし」、と彼女は言った。

Info

ちなみに英語での発音をあえて無理やりカタカナにすると、それぞれ;

Szechuan = セチュアン、Yangtze = ヤンツィー、となる。

She took a twenty out of her purse and handed it to me.

20ドル札をバッグから取り出すと、俺に差し出した。

“Here,” she said.

「これで」、と彼女が言った。

“That should be enough. It’s not very expensive.”

「これで足りるはずですわ。あまり高い所ではないから」

まとめ

ごく普通の会話が続いているが、自分で使える単語や表現の例はたくさんある。意味を完全に把握した後は、音読を繰り返して身につけよう。

そろそろ、最初から復習してみるのもいいかもしれない。

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