[一緒に洋書 27] 適当な訳が見つからない時は、受動・能動形を変えてみよう。

Books 英語レッスン
Read books!

英語と日本語の表現の違いは、受動態か能動態の違いであることは往往にしてある。原文が受け身だからそのまま訳そうとしたり、英語を話す時に、日本語の「態」にとわられ過ぎて英語が出てこない、そんな経験はないだろうか?

相応する表現が思いつかない時は、主語を変えてみよう。つまり情報を伝える視点を帰るのだ。

今回はそんな例を小説の文脈で見たり、by itselfamong other thingsburnoutmy line of work などの表現を覚えよう。

前回からの続きです。

「初秋」Early Autumn ロバート B. パーカー

“Better than you,” I said. “I’ve been with the kid. His clothes aren’t right and they don’t fit right. He doesn’t know what to do in a restaurant. No one’s ever taught him anything.”

「俺は君よりも両親を知っている」、と俺は言った。「俺はその子と一緒に一日過ごしたんだ。適当な服を持っていないし、サイズも合ってない。レストランで、どうすれば良いのかも知らない。誰も何も教えていない」

“Well, how important is it to know how to behave in a restaurant,” Susan said.

「でも、レストランでどうすれば良いのか、というのはそんなに重要な事かしら?」

“By itself it’s not important,” I said.

「それ自体は重要な事じゃない」、と俺は言った。

Info

By itself = それ自体では

This machine doesn’t work by itself. You need to have an adaptor.

この機械はこれ自体では動きません。アダプターが必要です。

“It’s just an instance, you know? I mean no one has taken any time with him. No one has told him anything, even easy stuff about dressing and eating out. He’s been neglected. No one’s told him how to act.”

「一つの例としてだ、分かるだろう?俺が言っているのは、今まで誰もその子のために時間を取って、何かを教えるって事をしなかった、という事なんだ。服装や、外食、なんていう簡単な事ですらね。誰もあの子をかまってやったり、しつけたりしていないんだ」

アナ訳

He’s been neglected = 彼は無視されてきた = 誰も彼をかまってなかった

Yojo
Yojo

英語と日本語の間で、受け身形と能動形の違いが出ることはよくある。単に観点が違うだけで、情報の内容は同じなので、自然な表現にするためには自在に観点を変えて対応しよう。逆に英語でどう言えば良いのか分からない場合にも、観点(主語)を置き換えてみると、スラッと表現が思いつく場合が多い。

The Celtics out the ball in play from midcourt. Phoenix stole it and scored. I shook my head. Maybe if Cousy came out of retirement.

ケルティックスがコートの真ん中からボールを入れると、フェニックスがボールを横取り、得点した。俺は首を振る。カウシーが引退から再復帰してくれれば、こうはならないだろう。

Susan said, “I haven’t met this kid, but I have met a lot of kids. It is, after all, my line of work. You would be surprised at how recalcitrant kids this age are about taking guidance from parents. They are working through the Oedipal phase, among other things, often they look and act as if they haven’t had any care, even when they have. It’s a way to rebel.”

「私はこの少年には会ったことはないけれども、たくさんの子供に接するわ。何と言っても、私の専門の分野だから。その年頃の子供はびっくりする位、親の言うことを本当に聞こうとはしないのよ。エディプス期を通っている最中だし、その他の要因も含めて、子供は何かに関心があったとしても、まるで無関心なように見えるし、そう振る舞うものよ。反抗の一つよ」、とスーザンは言った。

Don't care
They act like they don’t care.
アナ訳

My line of work = 仕事の筋 = 私の専門分野

スーザンは心理学者、Psychologistだ。と言うわけで、”my line of work”なのだ。

(精神科医は Psychiatrist)その違いは、医者の資格があるかどうか、つまり、薬を処方できるのかどうかだ。

コメント

Oedipal Phase (Oedipus Complex)はフロイドの心理学の言葉で、子供の成長の過程で、同性の親に対して嫉妬や対抗意識を持つ期間を言う。詳しく知りたい人はこのリンクを参照

この言葉、ギリシャ神話の名前(Oedipus)から由来するため、発音は、知らなければまず出来ない。このリンクを参照

使える表現

among other things = その他の事のうちの一つとして = その他の要因も含めて

Bugoo
Bugoo

What did I do to make you so angry?

僕が何をしたからそんなに怒っているの?

Toby
Toby

You ate my dinner, and barfed on my cushion, among other things

僕の夕飯を食べて、僕のクッションにゲロ吐いただろ。その他にもたくさんある。

The Celtics threw the ball away. The Suns scored.

ケルティックスがボールを落として、サンズが得点した。

I said, “Are you familiar with the term blowout?”

「ブローアウトって言葉を知っている?」と俺は聞いた。

Is it like a burnout?”

「それってバーンアウトと同じようなこと?」と、スーザンが言った。

Info

Blowout は相手チームに反撃を許さない程、一方的なゲームで圧勝することを指す。

Burnout は疲れ果てる、完全燃焼し果てる、と言う意味。

burnout
Burnout?

“No, I mean the game. You are witnessing a blowout,” I said.

「いや、スポーツの試合の事だ。今まさにブローアウトのゲームを観戦しているんだ」、と俺は言った。

“Are the Celtics losing?”

「ケルティックスが負けてるの?」

“Yes.”

「その通り」

“Want to leave?”

「出たい?」

No. It’s not just who wins. I like to watch the way they play.

「いや。どちらが勝つか、だけじゃなくて、どんなプレーをするのかを見るのが好きなんだ」

She said, “Mmm.”

「ふーん」と彼女は言う。

I got another bag of peanuts and another beer. With five minutes left the score was 114 to 90.

俺はピーナッツをもう一袋、そしてビールをもう一杯買った。あと五分の残り時間で、得点は114対90だ。

I looked up at the rafters where the retired numbers hung.

俺は見上げて、天井からかかっている、引退した背番号を見た。

“You should have seen it,” * said to Susan.

「君も見れたら良かったのにな」とスーザンに言う。

コメント

仮定法の用法の一つの表現、覚えてる?時制を一つずらす事で実際には起こらなかったことを、仮定するのやつ。

この場合は:You should see it = 君も見るべきだ

の時制を過去完了形にずらすことで、「見るべきだった」となる。

ここでは「見れたら良かった」と訳してみた。

“What?” She brushed a peanut shell from her lap. She was wearing jeans from France tucked into the tops of black boots.

「何を?」彼女は膝の上のピーナッツの殻を払った。フランス製のジーンズの裾を黒のブーツのトップに入れている 。

“Cousy and Sharman, and Heinsohn and Lostcutoff and Russell. Havlicek, Sanders, Ramsey, Sam Jones, and K. C. Jones, Paul Silas and Dan Nelson. And the war they’d have with the Knicks with Al McGuire on Cousy. And Raussel against Chamberlain. You should have seen Bill Russel.”

クーシーとシャーマン、そしてヘインソーンとロストカットオフ、そしてラッセル。ハヴィセック、サンダース、ラムジー、サム・ジョーンズ、そしてK. C. ジョーンズ、ポール・サイラスとダン・ネルソン。そして、ニックスの選手アル・マクガイヤーとクーシーとの戦い。ラッセルとチャンバーレインの戦い。ビル・ラッセルを見られれば良かったのにね。

Yojo
Yojo

昔のボストンのバスケのチームの選手を羅列しているが、それぞれの名前の発音は全くの推測です。

She said, “Yawn.”

「つまらない」と彼女は言った。

アナ訳

Yawn = あくび = つまらない・面白く無い

個人的には同感である。

まとめ

会話は少し長く、心理学用語も出てきて少し難しくなってきたかもしれないが、英語的にはとくに難しい構造の文は無い。挿入部分を意識して、文全体を常に考えよう

コメント

タイトルとURLをコピーしました