[一緒に洋書 31] スペンサーの「皮肉」と「減らず口」を楽しもう

Criminal type 英語レッスン
Criminal type

スペンサーと依頼人との会話が進んでいきます。

共にスペンサーのトレードマークである、皮肉 =「Sarcasm」と 減らず口 =「Wisecrack」。英語ならではのジョークを楽しもう!

今回はCorn/トウモロコシを使った表現、「Corny」や、日本語と英語では意味は同じでも答えは逆になる場合を見て行こう。否定疑問文に対する答えのように、発言していることが正しい、正しくない、に則って答える日本語の観点と、話している事象や状況が合っているのか、いないのかの観点で答える英語の観点。文脈で見て行こう。

「初秋」ロバート B. パーカー

“A strange man stopped Paul on his way home from the school and told him that his father wanted to see him. Pauld wouldn’t go with him, so the man got out of his car and started after him, but there was a policeman at the school crossing and when Paul ran back toward him the man got back into his car and drove away.”

「ポールが学校から帰って来る途中、知らない男に呼び止められ、父親が会いたいと言っている、と言われたのです。ポールは男について行こうとはしなかったのですが、男は車から降りてポールの後を追ってきました。通学路の横断歩道にいた警官の方にポールが走って戻ったところ、男は車に戻り、走り去りました」

“And Paul came home.”

「で、ポールは帰宅したわけですね」

“Yes.”

「はい」

“He didn’t—I know it’s corny, but I used to be a cop—get a license number, did he?

いかにも、という感じな質問ですが、私は昔は警官だったのです、車のナンバーを控えたりはしなかったわけですかね?」

アナ訳

Corny = ありがちで、陳腐、わざとらしい、大仰なセンチメンタルな = いかにもと言う感じ

トウモロコシっぽい」が、どうしてこんな意味になるのか?

Corn-fed という表現を聞いた頃があるだろうか?「トウモロコシを食べて育った」、という意味だが、ニュアンスはファーマーの家庭に育った、田舎育ちの、つまりあまり洗練された社会で育ってはいない人だ。ある程度ポジティヴに「実直で、素直な」と言う感じでもあり得る。

同じようにCornyは田舎の、農家の、つまり「洗練されてはいない」という意味になったらしい。しかし、Corn-fed とは違い、現在では「田舎・農業の」というニュアンスは含まれない。

“I don’t think so. He didn’t say anything about it.”

「控えてはいないと思います。あの子は何もそんな事は言っていませんでした」

“And he didn’t know the man.”

「そして、その男には見覚えが無かった」

“No.”

「そうです」

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同じ意味なのに言語の形としては否定と肯定に分かれる、日本語と英語の観点の違いが出る表現だ。

日本語では「その男に見覚えが無かった」という発言が正しいので、そうです=Yes、となるが

英語では「見覚えがない」という否定の部分を受けて No=見覚えがない 

となるのだ。

We were quiet. I finished the beer. She sipped some more sherry. I looked at her knees.

我々は何も言わなかった。俺はビール飲み終え、彼女はシェリー酒にもう少し口をつけた。俺は彼女の膝を眺める。

“Have you told the cops?  I said.

 「警察には連絡したのですか?」と俺は聞いた。

“No.”

「していません」

“You figure he had some friend of his try to pick the pick the kid up? And the friend was overzealous?”

「父親が彼の友人に頼んで子供を連れ戻そうとした、そしてその友人は熱心にやりすぎた、と考えているのですか?

アナ訳

Figure 〜 = 〜と解釈する = と考える。

Figure という動詞のニュアンスを復習しよう

“I don’t know,” she said. There was a little thigh beginning to show along with the knees.

「分からないわ」、と彼女は言った。膝に加えて、太ももが少し見え始めていた。

“He knows some terrible people. In his business he knew some very thug-looking people. I’m sure it was one of them.”

「あの男は悪い人達と知り合いなの。ビジネスを通して悪党の様な人達と付き合っていたわそのうちの一人に違いないわ」

“Wide lapels? Dark shirts? White ties? Big hats?”

「幅の広い襟に暗い色のシャツ、白のネクタイに大きな帽子、って感じですか?」

典型的なイメージを使うジョークって多い

“I’m serious,” she said. “I think he knew some people on the wrong side of the law. Maybe he was on the wrong side sometimes himself.”

「真面目に話しているんです」、と彼女は言った。「あの男はプロの犯罪者と付き合いがあったと思います。時にはあの男自身、犯罪を犯したことがあるんじゃないかしら」

アナ訳

People on the wrong side of the law = 法律の反対側にいる人 = 無法者 = ギャング = プロの犯罪者

“Why do you think so?”

「何故そう思われるのですか?」

“Oh, I don’t know. just a sense. The kind of people he was with. How secretive he sometimes was.”

「それは分かりません。でもそんな感じでした。交遊があった人のタイプとか、時に何か隠し事がある様な様子とか」

She spread her hands. “Just a sense. Would you like another beer?”

彼女は両手を広げて見せた。「単なる勘よ。ビール、もう一本いかが?」

Sure.

「頂きます」

She went to the kitchen and got me one and popped the top for me and brought it to me.

彼女は台所へ行き、ビールを一本取ってくると、栓を抜いて俺に持ってきてくれた。

Then she poured herself another glass of sherry.

そして、自分のためにシェリー酒をもう一杯注いだ。

“Do you have a plan?” I said.

「どんなプランを考えているのですか?」

“A plan?”

「プランとは?」

You know, for me. What do you want me to do?”

「つまり、私に何をやって欲しいのかという事です」

“I want you to stay here with us,” she said.

「私たちと一緒に、ここで泊まって欲しいの」

“Damn,” I said. You are the fifth beautiful woman today to ask me that.”

「参ったな。 今日、私に同じことを頼んだ美女はあなたで五人目だ」、と俺は言った。

Yojo
Yojo

Yeah, yeah, good for you!

“I want you to guard Paul and , the truth, me too. I don’t know what Mel might do.”

「あなたにポールと、そして本音を言うと、私も含めて守って欲しいの。メルがどんな手段を取るのか分からないわ」

“Are you suggesting that he is capable of anything?”

「メルはどんな事でもやりかねない、と言っているのですか ?」

“Yes. He is. I know you’re laughing at me. but you don’t know him. I’m afraid.”

「そう。あの男なら。あなたは私を笑っているのでしょうけれど、あなたはメルを知らない。私、怖いの」

まとめ

話がハードボイルドになってきたね。スペンサーの減らず口も相変わらずだ。そんなジョークにも慣れてくると、すぐわかる様になってきたでしょう?次回もこの会話が続きます。お楽しみに!

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