スラング:”Ain’t” の意味? 言ってはダメな言葉?!

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先日、大統領候補者のジョー・バイデンが黒人の市民に向けて発言した言葉が問題になっていた。その発言の中身も問題だが、彼が意図的に “ain’t” と言うスラングを使っている事も興味深い。

if you have a problem figuring out whether you’re for me or Trump, then you ain’t black.”

「私に投票するか、トランプに投票するか、決められないでいるようであれば、あんた黒人じゃないよ。」

Joe Biden From the interview on “Breakfast Club” 筆者訳

英語にも、カジュアルな言葉から、無教養に聞こえる言葉、上手く使うとカッコイイ言葉、ウケる言葉、黒人の間で使われる言葉など、いわゆる俗語、スラングはたくさんある。

この投稿では “ain’t” の意味と、例文。そしてバイデンがその言葉を使った背景について考えてみる。

Ain’t の意味

発音は「エ」に近い潰れた「ア」。[エ/ア]イント

意味は be動詞/have否定形

=am not, isn’t, aren’t, haven’t, hasn’t

つまり、文法の細かな違いが分からないから、全て “ain’t” で済ましてしまおうと言うわけ。教育が十分に行き届いていない社会層の人々の間に多い。

その他のスラングと同じように、流行的に、カジュアル的にも使われる。歌や、映画などで耳にすることも多いことからも伺える。

Ain’t を使った例文

Yojo
Yojo

I ain’t going to the band practice tonight.

今日はバンド練習には行かねえぜ。


Bugoo
Bugoo

I ain’t got no money.

金が全然ネーよ。

アナ訳

ain’t got = haven’t gotten = 持っていない

Get を理解するだけで英語は上達するパート3を参照。

POINT

Ain’t は、上の例の様に、2重否定の形で使われる事が多い。

しかし、これは2重否定は無いので注意!

文法的に正しい文は:

I ain’t got any money.

敢えて間違った2重否定で強調しているわけだ。

例:I ain’t got no hat! 帽子は一つも無いぜ。


Toby
Toby

Ain’t I good to you?

僕は君に良くしているだろ?

POINT

否定疑問文として冒頭に使われる場合が多い。

Ain’t she cute? あの子可愛く無い?


Mickey
Mickey

I ain’t never been to Japan.

日本には一度も言った事ねえなあ。

POINT

ain’t = haven’t


Randy
Randy

He ain’t done nothing wrong.

奴は間違った事は一度もしてねーよ。

POINT

この例文も、2重否定に見えるけれどそうじゃ無い場合。正しくは;

He hasn’t done anything wrong.

あるいは

He has done nothing wrong.

使って良いのか?

第2外国語として英語を学んでいる人が “ain’t” を使う場面はまず無い

しかし、前述のように、実際には耳にする事はかなり多いので、知っていなければならない言葉でもある。

僕は昔、歌詞に出てくる ain’t について疑問に思っていた。学校ではもちろん教えてくれなかった。

“Ain’t gonna cry over you!” という歌詞だった。

「君を想って泣いたりなんかしないぜ!」

ジョーの発言、分析

ジョー・バイデンが上記の発言で “ain’t” を使うニュアンスは、黒人の人たちの間では ain’t を使う場合が多い、と言う一般的な固定観念の押し付けである、と受け止められる。

彼自身は、わざと気さくに、俺も君たちと同じだ、みたいな意図で使ったのだろう。

しかし、発言の内容も、政治投票の選択と人種を勝手に結びつけてしまうような議論を醸し出すものなので、”ain’t” が非常に condisending (コンディセンディング)、つまり、上から目線のいやらしい同調と、受け止められる可能性は十分にある。

文脈的には、そして個人的にもジョー・バイデンの言いたい事は良くわかる。

トランプのような人種差別や、搾取を平気で行う政治家にたいして、ひどく扱われている黒人層が投票する事は想像を超える

批判に対するジョー・バイデンの応答も面白い。

I shouldn’t have been such a wise guy. I shouldn’t have been so cavalier.

軽口を叩くべきではなかった。無神経なまでに気さくに振る舞うべきではなかった。

Joe biden 筆者訳

軽口や無頓着さ、つまりはカジュアル過ぎたと言うわけだ。その感じは “ain’t” と言う言葉を使用している事も、発言の内容はもちろん、微妙に影響しているのだ。

まとめ

言葉は面白い。些細な言葉の使い方の選択で、相手に伝わる微妙なニュアンスが変わってくる。

逆に言えば、気をつけないと誤解させる可能性は十分にある。

しかし英語のネイティブスピーカーでは無い場合、多少の間違いや勘違いは、明らかに悪意のないものと解釈、許容されるのが普通。

大統領候補者ならば話は別ですが…。

細かい英語の点に神経質にならず、間違いを恐れずに会話しよう!

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